制度解説

持続化補助金とは?2026年の上限額・創業型・申請の流れ

持続化補助金とは?2026年の上限額・創業型・申請の流れ

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持続化補助金(小規模事業者持続化補助金)は、チラシ・Webサイト・店舗改装など「売上をつくる取り組み」に使える、小さな事業者にいちばん身近な補助金です。筆者は補助金(事業再構築補助金)の採択・交付を受けて無人サロンを開業した元銀行員として、「制度の説明」だけでなく「お金が実際にどう動くか」まで踏み込んで解説します。

この記事で得られること
– 2026年の最新公募(一般型第20回・創業型第4回)の上限額・補助率・締切
– 開業1年以内なら上限200万円になる創業型の要件と、締切からの逆算スケジュール
– 申請から入金までの10ステップと所要期間(入金は後払い・約1年先)
– 元銀行員視点の立替資金の設計(公庫融資との併用)

結論を先に
1. 一般型(通常枠)は上限50万円・補助率2/3。特例を積むと最大250万円まで広がる
2. 創業1年以内なら創業型(上限200万円・インボイス特例で250万円)が第一候補
3. 一般型第20回の申請受付は2026年11月5日〜12月15日(創業型第4回も締切は同じ12月15日で確定、受付開始日は準備中)。ただし商工会議所の様式4発行は12月4日締切なので、実質の準備期限はもっと手前
4. 補助金は後払い。入金まで約1年を耐える資金繰り設計が採択より先

持続化補助金とは?3分でわかる制度の全体像

持続化補助金の特徴3つの図解

持続化補助金は、小規模事業者が経営計画を作って販路開拓(売上づくり)に取り組む費用の一部を国が補助する制度です。ポイントは3つあります。

  1. 経営計画の策定が必須 — 商工会議所・商工会の支援を受けながら計画を作るのが基本ルート
  2. 販路開拓が目的 — チラシ、Web、看板、店舗改装など「売るための投資」が対象
  3. 後払い — 経費はいったん全額自己負担し、あとから補助分が振り込まれる

5つの類型と上限額・補助率

類型 補助上限 補助率 対象イメージ
一般型・通常枠(第20回) 50万円(特例併用で最大250万円) 2/3 小規模事業者全般
創業型(第4回) 200万円(インボイス特例で最大250万円) 2/3 創業1年以内の事業者
一般型・災害支援枠(10次) 200万円(直接被害の事業者が対象) 2/3(一部定額) 能登半島地震等の被災事業者
共同・協業型(第3回) 10者以上=3,000万円/5〜9者=2,000万円 2/3または定額 5者以上の連携体
ビジネスコミュニティ型 商工会の内部組織等

出典: 中小企業庁 小規模事業者持続化補助金(一般型)/同(創業型)/商工会議所地区 補助金事務局/中小機構 補助金活用ナビ

対象になる事業者(従業員数の要件)

業種 常時使用する従業員数
商業・サービス業(宿泊・娯楽業を除く) 5人以下
宿泊業・娯楽業 20人以下
製造業・その他 20人以下

個人事業主・フリーランスも対象です(開業届を出していることが前提)。医師・医療法人、NPO法人の一部など対象外の類型もあるため、公募要領の対象者定義を確認してください。

【2026年最新】第20回はいくらもらえる?上限額と補助率

開業チラシの準備をする小さな店の店主の写真

一般型・通常枠(第20回)の基本は上限50万円・補助率2/3です。つまり75万円の経費を使うと、その2/3の50万円が戻る計算です。さらに2つの特例で上限が積み上がります。

適用パターン 補助上限 補助率
基本(通常枠のみ) 50万円 2/3
+インボイス特例 最大100万円 2/3
+賃金引上げ特例 最大200万円 2/3(赤字事業者は3/4)
両特例の併用 最大250万円 2/3(赤字事業者は3/4)

特例の適用条件は次のとおりです。賃金引上げ特例は「事業場内最低賃金を+50円以上引き上げ、かつ従業員1人あたり給与支給総額を年平均3.0%以上増加させる」ことが要件で、判定期間は補助事業実施期限日を終点とした連続12か月と前年同月比です。インボイス特例は「免税事業者からインボイス発行事業者に転換した」または「2023年10月以降に創業した」場合などが対象になります。

要注意: 賃金引上げ特例・インボイス特例は、採択後の実績報告時に賃金台帳等で要件充足を確認され、満たせないと上乗せ分だけでなく補助金全額が不交付になる仕組みです。上限額を上げたいがために無理に特例を付ける前に、実績報告まで要件を維持できるかを見極めてください。

特例の詳細は第20回公募要領の原本で確認してください。第20回公募要領は2026年7月21日付で第8版に改版されています(商工会議所地区事務局サイト)。申請直前は必ず最新版のPDFを開き直し、手元に保存している要領が旧版でないか確認してください。

対象経費は8区分

経費区分 注意点
機械装置等費 業務用機器、陳列棚 汎用品(PC単体等)は対象外
広報費 チラシ、ポスティング、看板 上限30万円・単独申請不可の情報あり
ウェブサイト関連費 HP制作、Web広告、予約ページ 同上。ウェブ関連費のみの申請は不可
展示会等出展費 出展料、運搬費
旅費 販路開拓のための出張
新商品開発費 試作、パッケージデザイン
借料 機器・スペースのレンタル
委託・外注費 店舗改装、専門家への外注 50万円以上は相見積が要る情報あり

車両の購入費や書籍代などは対象外です。予約・決済などソフトウェア導入が主目的ならIT導入補助金・デジタル化支援との比較を、制度全体の使い分けは開業で使える補助金一覧をどうぞ。

創業型なら上限200万円!対象になる人・ならない人

これから開業する人、開業して間もない人に読んでほしいのがここです。創業型は上限200万円(インボイス特例で250万円)と一般型の4倍ですが、時間切れで対象から外れやすい制度でもあります。

対象要件は「支援日」と「開業日」の2つ

創業型の対象は、次の両方が公募締切日から過去1年以内にある事業者です。

  1. 特定創業支援等事業による支援を受けた日 — 市区町村(認定自治体)が行う創業セミナー・窓口相談など。修了すると自治体が証明書を発行します
  2. 開業日(開業届の開業日/法人設立日)

出典: 中小企業庁 創業型ページ/創業型 公募要領第8版PDF/創業型事務局サイト

特定創業支援等事業は1日では終わりません。多くの自治体で1か月以上(複数回の受講)が必要です。受け方と自治体の創業支援の探し方は創業者向け補助金の記事で解説しています。

一般型との違い

創業型(第4回) 一般型・通常枠(第20回)
補助上限 200万円 50万円
インボイス特例 +50万円(最大250万円) +50万円(最大100万円)
補助率 2/3 2/3
追加要件 特定創業支援の証明書+開業1年以内 なし
申請受付 未定(準備中・公式サイトで随時確認) 2026/11/5〜12/15

締切2026/12/15からの逆算スケジュール【最重要】

創業型第4回(締切2026年12月15日)からの逆算スケジュール図解

ここでは一般型・通常枠第20回(申請受付2026/11/5〜12/15、公式確定)を基準に逆算します。創業型第4回は締切2026年12月15日(一般型と同日)が確定しましたが、受付開始日は本稿更新時点(2026年9月7日)でもまだ「準備中」表示で公表されていません。過去の回は一般型と近い時期に実施される傾向がありますが、開始日は確定情報ではないため、創業型での申請を予定している方は創業型事務局サイトで最新の公募開始情報を随時確認してください。特定創業支援等事業の受講は日程が固まる前から動けるので、逆算の第一歩として先に着手するのが得策です。

時期 やること
夏〜秋(今) 市区町村の特定創業支援等事業を受け始める(修了まで1か月以上)
開業前後 開業届を提出(支援日・開業日の両方が締切から1年以内に収まるよう調整)
11月上旬まで GビズIDプライム取得・経営計画書の作成・商工会議所/商工会に相談予約
2026/12/4 17:00 様式4(事業支援計画書)の発行依頼締切
2026/12/15 17:00 電子申請の締切

受付期間の出典: 中小企業庁(創業型)同(一般型第20回)

逆に言うと、開業から1年経ってしまうと創業型には戻れません。「開業してから補助金を調べる」のではなく、「公募締切から逆算して開業日と受講日を置く」のが創業型の正しい使い方です。

DK

監修者DKメモ|元銀行員・FP2級

銀行の融資審査でも「自治体の創業支援や商工会議所と一緒に計画を作ってきた創業者」は書類の完成度が高く、信頼できました。特定創業支援の受講は補助金の入場券であると同時に、[創業融資](/sogyo-yushi/)でも自治体制度(登録免許税の減免等)でも効く、費用対効果の高い1か月です。

申請から入金までの10ステップ

商工会議所の窓口で事業計画を相談する事業主の写真

全体の流れと所要期間です。申請準備に2〜3か月、入金までは約1年かかります。

  1. GビズIDプライム取得 — 電子申請に必須。個人事業主は即日〜、法人は1〜2週間見込む
  2. 経営計画書・補助事業計画書(様式2・3)を作成 — 審査の核。ここに時間をかける
  3. 商工会議所・商工会で様式4(事業支援計画書)を発行してもらう — 窓口で計画を見てもらい発行を受けます。予約制の地域が多く、計画の修正を求められることもあるため、締切(第20回は2026/12/4)の2週間以上前には最初の相談を
  4. 電子申請 — 受付は2026/11/5〜12/15 17:00
  5. 審査・採択発表 — 申請から数か月
  6. 交付決定発注・契約・支払いはここから。前に動いた経費は対象外です
  7. 補助事業の実施 — チラシ発注、HP制作など計画どおりに実行し、証憑を全部残す
  8. 実績報告 — 事業終了後30日以内目安。領収書・成果物をまとめて提出
  9. 確定検査→精算払請求→入金 — 報告の不備があるとここで往復が発生
  10. 事業効果報告 — 入金後も1年間の報告義務

持続化補助金の申請5ステップの図解

つまずきやすいのは3・6・8です。とくに交付決定前の発注は補助対象外というルールは、毎回の公募で事故が起きる最重要注意点です。よくある失敗は申請の落とし穴集にまとめました。

採択率と通る計画書のコツ

採択率は公表データで一般型・通常枠 第19回が47.2%(7,819/16,576件、2026/7/29発表)で、第18回の47.5%からほぼ横ばいです。創業型は回によって幅があります。おおむね「2人に1人」の世界で、準備の質がそのまま結果に出ます。回別の推移は採択率まとめで更新しています。

元銀行員として融資審査をしていた経験と、自身が補助金採択者になった経験から、計画書で効くと感じるのは次の3点です(筆者の見解)。

  • 「誰に・何を・どう売るか」を一本の筋で書く — あれもこれも詰め込んだ計画より、「開業初月に◯件の予約を取るためにチラシとWeb予約を整える」型が強い
  • 数字で閉じる — 経費→施策→売上見込みの因果を数字でつなぐ。根拠のない売上倍増計画は逆効果
  • 加点項目を取りにいく — 賃上げ・事業承継等の政策加点は公募要領に一覧があります

筆者が実際に採択された計画書の考え方は採択体験記で公開しています。

DK

監修者DKメモ|元銀行員・FP2級

審査する側は「書きぶりの上手さ」より「実行できそうか」を見ています。私が申請者として書いたときも、飾った表現は削り、見積書と数字の整合だけを磨きました。商工会議所の窓口で受けた指摘は、そのまま審査目線の先取りだと思って直すのが得策です。

元銀行員が教える「入金まで約1年」の資金繰り対策

ここが競合サイトにほぼ書かれていない、そして実務ではいちばん大事な話です。

補助金は「あとから戻る割引券」

持続化補助金は後払いです。75万円の経費で50万円戻る場合でも、まず75万円全額をあなたが払います。申請から入金までの資金の動きはこうなります。

時期(目安) 出来事 あなたの財布
0か月 申請 ±0
3〜4か月 採択・交付決定 ±0(まだ1円も入らない)
4〜8か月 発注・支払い −75万円(全額立替)
8〜10か月 実績報告・確定検査 −75万円のまま
約12か月 補助金入金 +50万円(差引−25万円が実質負担)

この1年を耐えられる設計がないまま採択されると、かえって資金繰りが苦しくなります。立替の原資は3つです。

  1. 自己資金 — 最も確実。開業資金全体の中でいくらを立替に回せるか、自己資金の考え方で棚卸しを
  2. 日本政策金融公庫の創業融資 — 創業型との相性が抜群です。「公庫融資で開業資金を確保→持続化補助金(創業型)で販路開拓費の一部が後から戻る」の順で組むと、立替負担が融資枠の中に収まります。金利・審査の実際は創業融資の記事
  3. つなぎ資金 — 交付決定後の立替期間だけ銀行融資・ビジネスローンで橋を架ける方法。選択肢と注意点はつなぎ資金の記事で解説しています

なお、入金された補助金は課税対象(雑収入)です。税務の扱いは補助金と税金の記事を確認してください。

DK

監修者DKメモ|元銀行員・FP2級

融資審査の席で、補助金を「入ってくるお金」として資金繰り表に先に書いてしまう計画を何度も見ました。審査側の目には楽観的な計画と映ります。逆に「補助金ゼロでも回る資金計画+採択されたら前倒し返済」と書ける人は、貸す側から見て別格に信頼できます。補助金は収入ではなく、あとから効く割引券として扱ってください。

よくある質問

Q. 何回でも申請できますか?
過去に採択された事業者の再申請は可能ですが、回数制限や減点の扱いが公募回ごとに定められています。

Q. ホームページ制作費だけで申請できますか?
できません。ウェブサイト関連費は単独申請不可・上限ありとされています。チラシ等ほかの販路開拓と組み合わせて計画を作ります。

Q. 交付決定前に発注してしまったら?
その経費は補助対象外になります。契約・発注・支払いは交付決定通知の後に行ってください。

Q. 不採択だったら再挑戦できますか?
次回公募での再申請は可能です。不採択理由を踏まえて計画を磨き直す方法は申請のコツの記事へ。

Q. 開業前でも申請できますか?
創業型を含め、開業(開業届の提出)済みであることが前提です。開業前に動くべきは特定創業支援等事業の受講です。

まとめ:次にやること3つ

  1. 商工会議所・商工会に相談予約 — 様式4の発行元。最初の相談は早いほど有利です
  2. GビズIDプライムを取得 — 無料。取得しておいて損はありません
  3. 公募要領をダウンロードして手元に一般型第20回/創業型第4回/商工会議所地区事務局/商工会地区事務局

一般型第20回の締切は2026年12月15日、様式4は12月4日(創業型第4回も締切は同じ12月15日、受付開始日は確定次第、公式サイトで確認してください)。創業型を狙う人は、特定創業支援の受講開始が事実上のスタートラインです。ほかの補助金との比較は開業で使える補助金一覧補助金データベースでどうぞ。

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この記事の執筆・監修|DK(元銀行員・FP2級)

元地方銀行員(融資審査7年・医療機関向け融資専門)。FP2級・日商簿記2級・証券外務員。事業再構築補助金の採択・交付を受け、24時間無人のセルフ脱毛サロンを開業・運営。飲食店の開業・業態転換も経験。金融ライター歴10年以上・執筆数千本。

運営者について

DK

DK 元銀行員・FP2級|補助金採択で無人サロン開業

地方銀行で法人融資・融資審査を7年担当(医療機関向け融資専門)。独立後は金融ライターとして10年以上・数千本を執筆。事業再構築補助金の採択・交付を受けて24時間無人のセルフ脱毛サロンを開業・運営中。飲食店の開業・業態転換も経験。「貸す側」「借りる側」「補助金を使う側」の3つの立場を実体験した視点で解説しています。保有資格: FP2級/日商簿記2級/証券外務員。