無人店舗・省人化

無人店舗のシステム比較|予約・決済・入退室の料金と選び方

無人店舗のシステム比較|予約・決済・入退室の選び方

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無人店舗システムの解説記事の多くは、システムを「売る側」のベンダーが書いています。この記事は、24時間無人サロンを実際に選定・運用している筆者が、公開料金だけを取得日つきで横並びにし、カタログには載らない「連携の壁」と実運用の実態まで書いた比較ガイドです。

この記事で得られること
– 予約・決済・入退室・カメラの公開料金の横並び比較(2026-07-19時点)
– 競合記事がどこも書いていない予約×スマートロック連携オプションの料金とプラン条件
– 初期数百万円の無人決済店と月2〜3万円で組む小規模セルフ型の切り分け
– 実運営者が体験した選定の決め手と運用トラブルの対処

結論を先に
1. 小規模の無人店舗は予約・決済・入退室・見守りの4点セットで作る
2. 単品の安さより「連携できるプランか」がすべて。連携オプションには追加料金と対象プランの制約がある
3. 導入費はIT導入補助金省力化投資補助金の対象になり得る

無人店舗システムの全体像|まず「型」を切り分ける

無人店舗に必要な予約・決済・入退室・見守りの4システム図解

無人店舗と一口に言っても、必要なシステムと予算は型でまったく違います。最初にここを切り分けないと、読むべき情報を間違えます。

仕組み 費用感
無人決済店舗型 センサー・AIカメラで自動精算 無人コンビニ、駅ナカ売店 初期数百万円〜。大手・多店舗向け
スマート販売機型 商品を機械が販売 冷凍食品の自販機 機械代中心で初期100万円台〜
予約制サービス型 予約→事前決済→時間だけ解錠 セルフ脱毛・セルフエステ、レンタルスペース、24時間ジム 初期数万〜数十万円、月2〜3万円程度

この記事が扱うのは3つ目の予約制サービス型です。個人・小規模法人が現実的に始められるのはこのゾーンで、理想の流れは「予約 → 事前決済 → 予約時間だけ解錠 → カメラで見守り」が自動で連動することです。どれか1つでも連動しないと、そこだけ人手が残ります。

全業態の初期費用相場や許認可は無人店舗の開業完全ガイドにまとめています。

セルフ予約システムの比較|無料プランの範囲と連携条件

無人店舗の入口になる予約システムです。料金は2026-07-19に各社公式サイトで確認した公開情報です。

サービス 月額(税込) 事前決済手数料 スマートロック連携
STORES予約 フリー0円(月50件)/スモール9,790円/チーム19,690円/ビジネス28,600円(年契約時) カード4.9%+99円 RemoteLOCK連携オプション月4,400円。チームプラン以上が条件
RESERVA フリー0円(月50件)/ブルー3,850円/シルバー6,600円/ゴールド13,200円〜(年払い時) カード4.9% スマートロック連携1デバイス月1,100円。上位プラン限定。RemoteLOCK・Akerun対応
hacomono 非公開(要問い合わせ) 非公開 予約・決済・入退館を一体提供。Akerun連携・自社入退館あり

見るべきポイントは2つです。

  • 無料プランではスマートロック連携ができない。「0円で始めて後から連携」のつもりが、連携条件のプランまで一気に月額が上がります
  • 事前決済の手数料は4.9%前後。売上規模が大きいなら、後述の現地決済との使い分けも検討します

ジム・スクールのように会員管理が主役の業態は、一体型のhacomonoが候補になります(詳細は業態別の章で)。

スマートロック・入退室管理の比較

店舗入口のドアに設置されたテンキー式スマートロック

鍵の受け渡しをなくし、「予約者だけが、予約時間だけ入れる」を実現する要です。解錠方式は暗証番号(テンキー)・ICカード・スマホアプリ・QRなどがあり、不特定の客が入れ替わる無人店舗では、事前に番号を通知できるテンキー式が運用しやすいというのが筆者の実感です。

サービス 費用(2026-07-19時点の公開情報) 特徴
RemoteLOCK 本体55,000円〜+クラウド利用料月1,650円/台〜。レンタル月5,500円/台(工事費込)あり テンキー式。予約システム連携60以上。無人店舗の導入事例が多い
Akerun 非公開(サブスク型・要問い合わせ) 工事不要の後付け型。hacomono・RESERVAと連携
SESAME 5 本体3,000円台〜(個人向け価格) 圧倒的低価格。ただし主要予約システムとの公式連携は限定的
むじんLOCK 非公開(要問い合わせ) スマートロック+決済まで一体の無人化特化型
KEYVOX 標準プラン本体61,600円(施工費別)+月額5,000円/室〜(2026-07-30時点の料金比較サイト調べ) 予約・決済・本人確認まで一体提供。レンタルスペース・コワーキング・ジムでの無人運営実績あり

安さだけならSESAMEが目を引きますが、予約システムとの自動連携が細いため、予約連携ありきならRemoteLOCK・Akerun系、鍵の遠隔管理だけで足りる業態なら低価格帯、予約から決済・本人確認まで一体で任せたいならKEYVOXのような統合サービス、が大きな分かれ目です。

予約×鍵の「連携の壁」|料金とプラン制約【ここが急所】

予約システムとスマートロックの連携の相性と料金の図解

連携の仕組みはシンプルで、「予約確定→その時間だけ有効な暗証番号を自動発行→予約者にメールで通知」です。ただし、連携は無料ではなく、対象プランにも制約があります。ここがカタログ比較で一番見落とされる急所です。

  • STORES予約 × RemoteLOCK: 連携オプション月4,400円。ただしチームプラン(月19,690円)以上が条件。つまり連携前提なら実質月24,090円〜+ロック側のクラウド利用料
  • RESERVA × RemoteLOCK/Akerun: 連携オプション1デバイス月1,100円。ただし上位プラン限定。部屋ごとにロックを付けるとデバイス数×1,100円が積み上がります
  • hacomono: 連携を買い足すのではなく、予約・決済・入退館が最初から一体。その分料金は非公開で、小規模には過剰な場合も

「予約システムは安いのに、連携条件を満たすと月額が3倍になった」は実際に起こります。先に鍵を決めてから、それと連携できる予約システムのプランで総額を計算するのが正しい順序です。

DK

監修者DKメモ|元銀行員・FP2級

銀行員時代、設備投資の稟議でいつも見ていたのは「月々いくら出ていくか」の総額でした。無人店舗のシステムも同じで、単品の月額ではなく**連携条件を満たした状態の合計月額**を粗利と比べてください。ここを計算せずに契約して、あとから解約・乗り換えになるのが一番高くつきます。

決済システムと見守りカメラ|総合比較表

残る2つ、決済とカメラです。

決済は2通りの組み合わせ方があります。

  • 事前決済: 予約システム内蔵のカード決済(4.9%前後)。無断キャンセル対策になり、店内に決済端末が不要
  • 現地決済: Squareなら対面2.5%〜(条件により3.25%〜)・月額固定費0円〜。物販併設や当日追加メニューに向く

見守りカメラはクラウド録画型が主流で、Safieはカメラ本体50,600円+クラウド録画が7日保存で月1,320円〜、30日保存で月2,200円〜です(2026-07-19時点)。トラブルの申告は数日遅れで来ることがあるため、録画保存日数は7日を下限に考えるのが実運用の感覚です。

総合比較表(サービス×費用×連携先×向く業態)

サービス 役割 初期費用 月額 連携先 向く業態
STORES予約 予約・事前決済 0円 0円〜(ロック連携は19,690円+4,400円〜) RemoteLOCK サロン・スペース全般
RESERVA 予約・事前決済 0円 0円〜(ロック連携は上位プラン+1,100円/台) RemoteLOCK/Akerun サロン・スペース全般
hacomono 予約・決済・入退館一体 要問い合わせ 要問い合わせ Akerun/自社 ジム・スクール
RemoteLOCK 入退室 本体55,000円〜 クラウド1,650円/台〜 予約60以上 テンキー運用の無人店
SESAME 5 入退室 本体3,000円台〜 0円〜 限定的 スペース貸しの最小構成
KEYVOX 入退室・予約・決済一体 本体61,600円〜 月5,000円/室〜 自社一体型 レンタルスペース・コワーキング
Square 現地決済 端末代のみ 0円〜+手数料2.5%〜 POS各種 物販併設・当日決済
Safie 見守り 本体50,600円 録画1,320円〜 全業態

※料金は2026-07-19時点の各社公式サイトの公開情報。STORES予約・RESERVA・Safieの料金は2026-08-31時点でも変更がないことを再確認済みです。料金は改定されることがあるため、契約直前は必ず各社公式サイトで最新の表示を確認してください。

【実体験】24時間無人サロンの選定と運用トラブル

タブレットの予約カレンダーを操作する手元

筆者は補助金を活用して24時間無人のセルフ脱毛サロンを開業し、いまも運営しています(経緯は開業実例の記事へ)。選定と運用で分かったことを一次情報として書きます。

選定でこう考えました。

  • 最初に決めたのは鍵ではなく「予約と鍵が自動連携すること」。連携しない組み合わせは、単品がどれだけ安くても候補から外しました
  • 会員制+完全事前決済にしたことで、現金レス=店に盗るものがない構造になり、防犯の悩みが大きく減りました
  • 月額の実費合計(予約・入退室・カメラなどのシステム関係費)は約3万円です(決済手数料は売上比例で別途)

運用して初めて分かったトラブルと対処です。

  1. 予約システムの障害で丸1日営業が止まった——復旧を祈る以外にできることがない時間帯に効いたのは、事前に作っておいた「障害時の手動運用マニュアル」(返金・振替の手順、顧客への案内文テンプレ)でした
  2. 暗証番号の通知メールが迷惑メールに入る——「番号が届かない=入店できない」は無人店の致命傷。予約完了画面にも番号を出す、リマインドを重ねるなどの二重化が要ります
  3. 電池切れ・通信断への備え——スマートロックは電池残量の遠隔監視と、締め出し時に遠隔解錠できる手段の確認を契約前に。サポート窓口の対応時間もここで確認します(無人店のトラブルは夜に起きます)
  4. 無断延長・退室忘れ——退室時刻のリマインド通知と、カメラでの在室確認をセットにして対応しています
DK

監修者DKメモ|元銀行員・FP2級

私のサロンで障害が起きたとき、本当に価値があったのは高機能なシステムではなく「止まった日の動き方」を決めてあったことでした。システム選びの最終候補が2つで迷ったら、機能表ではなく**障害時のサポート体制と復旧手順の分かりやすさ**で選ぶことをおすすめします。

運営数値のリアルは無人サロン運営1年のリアルで公開しています。

業態別おすすめの組み合わせ3パターン

パターン 構成 月額の目安 向く人
①最小コスト型 予約フリープラン+低価格ロック(手動運用)+カメラ 数千円〜 レンタルスペースをまず1室、小さく試したい
②標準型 STORES予約 or RESERVA(連携プラン)+RemoteLOCK+Safie 2〜3万円程度 セルフ脱毛・エステ等、予約制サービスを無人で回したい
③ジム・スクール型 hacomono一体型(+Akerun) 要問い合わせ 会員管理・月会費・入退館を一体で管理したい

①は連携がない分、暗証番号の通知が手動になります。「完全無人」を目指すなら②以上が実質的なスタートラインです。フランチャイズでシステムごと導入する選択肢はFC比較の記事で扱っています。

補助金でシステム導入費を抑える

このサイトの本領です。無人店舗のシステムは補助金の対象になり得ます。

注意点は2つ。交付決定前に発注すると対象外になること(申請の落とし穴)、採択されても入金は後払いなのでつなぎ資金の設計が先であることです。制度の全体像は開業で使える補助金一覧へ。

DK

監修者DKメモ|元銀行員・FP2級

補助金審査の目線では、「省人化で人件費月◯万円が浮き、投資を◯年で回収する」という計算が書けている計画は強い。この記事の比較表で月額総コストを固めることは、そのまま事業計画の数字づくりになります。

導入前チェックリスト|失敗しない7つの確認

無人店舗システム選び3か条の図解

  1. 連携の対象プランと追加料金を含めた合計月額を計算したか(この記事の急所)
  2. 暗証番号の通知経路は二重化されているか(メール+予約完了画面等)
  3. 電池・通信・システム障害時の復旧手順とサポート対応時間を確認したか
  4. カメラの録画保存日数は7日以上あるか。設置位置は「見える防犯」になっているか
  5. 特商法表記・キャンセルポリシーは事前決済の運用と整合しているか
  6. 物件の回線環境は確認したか。スマートロック・クラウドカメラは常時通信が前提のため、光回線が引けない物件ではモバイルルーターの電波強度と通信量上限を事前に確認する必要がある
  7. カメラ映像の取り扱い方針を決めたか。防犯目的の撮影であることの掲示、保存映像の閲覧者を限定する運用ルールなど、個人情報保護の観点も無人店舗では通常店舗以上に問われる

よくある質問

Q. 無料プランだけで無人店舗は作れますか?
予約の受付だけなら可能ですが、スマートロック連携は有料プラン+オプションが条件のため、「完全無人」は難しいのが実情です。番号通知を手動で行う小規模スペース貸しなら成立します。

Q. スマートロックの取り付けに工事は要りますか?
後付け型(Akerun等)は原則工事不要、テンキー式の錠前交換型は設置工事が要る場合があります。賃貸物件では管理会社の承諾も確認してください。

Q. 結局、月いくら見ておけばいいですか?
予約+鍵+カメラの構成で月2〜3万円程度+決済手数料が、連携込みの現実的な目安です(2026-07-19時点の公開料金に基づく筆者の見解)。

Q. 防犯が不安です。無人で大丈夫ですか?
会員制+完全事前決済+見えるカメラの組み合わせで、リスクはかなり抑えられます。筆者のサロンでは金銭被害はゼロです(現金を置いていないため)。

Q. 顔認証やQRコードでの入店は検討しなくていいですか?
顔認証・アプリQRコード入室は無人コンビニなど多店舗の無人決済店舗型で採用が進んでいる方式で、初期投資が数百万円規模になりやすく、個人・小規模の予約制サービス型には現時点では過剰です。予約制サービス型では、暗証番号(テンキー)またはスマホアプリでの解錠が費用対効果の面で現実的な選択肢です。

まとめ|「連携条件を満たした合計月額」で選ぶ

  • 無人店舗は予約・決済・入退室・見守りの4点セット。単品の安さではなく連携条件込みの総額で比較する
  • 予約×鍵の連携にはオプション料金とプランの壁がある(STORES予約×RemoteLOCKは月4,400円+チームプラン以上、RESERVAは1デバイス月1,100円+上位プラン)
  • 初期数百万円の無人決済店と、月2〜3万円の小規模セルフ型は別物。個人は後者から
  • 導入費はIT導入補助金省力化投資補助金で圧縮できる可能性がある

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この記事の執筆・監修|DK(元銀行員・FP2級)

元地方銀行員(融資審査7年・医療機関向け融資専門)。FP2級・日商簿記2級・証券外務員。事業再構築補助金の採択・交付を受け、24時間無人のセルフ脱毛サロンを開業・運営。飲食店の開業・業態転換も経験。金融ライター歴10年以上・執筆数千本。

運営者について

DK

DK 元銀行員・FP2級|補助金採択で無人サロン開業

地方銀行で法人融資・融資審査を7年担当(医療機関向け融資専門)。独立後は金融ライターとして10年以上・数千本を執筆。事業再構築補助金の採択・交付を受けて24時間無人のセルフ脱毛サロンを開業・運営中。飲食店の開業・業態転換も経験。「貸す側」「借りる側」「補助金を使う側」の3つの立場を実体験した視点で解説しています。保有資格: FP2級/日商簿記2級/証券外務員。